ほとけと鳥と山茶花

身の回りにある花と鳥と小さな生き物の日記

夏のみのむし

夏の盛りに平城宮跡の原っぱに置かれたベンチに寝っころがっていた。大きな木の下で、ときどき涼しい風が吹きぬけて気持ちいい。 ふと頭の先を見ると一匹のミノムシが歩いている。ミノムシは枯葉や枯れ枝のミノをまとって冬の枯木にぶらさがっているものだと…

彼岸の思い出

春の若草萌える土手に座って、細いしなやかな草の茎を織りあげる少女。リースにしたり、花冠にしてかぶってみせたり。まことに微笑ましい光景である。 一方少年は、野原を夢中でかけ回り、転げ回り、どろまみれになりながら、逃げ惑う虫をわしづかみにする。…

『園芸家12カ月』 カレル・チャペックの童話的園芸 その3

もしもたらふくお金があったら、小さな山のふもとに土地を買って、広い庭をこしらえたい。家はちいさくて簡便なものでいい。そのかわり、愛情深くて勤勉な庭師を一人雇おうと思う。庭の造作は全部庭師に任せてしまう。私は四季おりおりに咲く花とともに、熱…

『園芸家12カ月』 カレル・チャペックの童話的園芸 その2

赤ピーマンと黄ピーマンをかけ合せればオレンジピーマンができると聞いて、私はすぐに土と肥料と二つの苗を買ってきた。高校二年か三年の頃である。 鉢に土を盛り、スコップで掘り返して肥料を入れ、ちょうどいい深さの穴をあけて、そこにそっと苗を置いた。…

『園芸家12カ月』 カレル・チャペックの童話的園芸 その1

近所をぶらぶら散歩していると庭先の鉢や植木に目がいく。きれいで育てやすい花の相場は決まっているようで、どこの庭もだいたい同じ季節に同じ花が咲き、こうしてぶらぶら通りかかる者も、それを眺めてその時の季節を感じて楽しむ。 私はずっと冬が嫌いだっ…